年商7000万円・粗利3000万円を目指す経営者が直面する「成長の壁」を超えるために

2025.9.19

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年商7000万円・粗利3000万円を目指す経営者が直面する「成長の壁」を超えるために
代表取締役浦谷 将太 
南山大学を卒業後、Web制作、AIチャットボットKUZEN、アプリ受託開発、ITコンサルティング事業に累計約7年間携わり、営業・事業経験は約10年。
2021年に株式会社Desafiosを設立し、Webアプリ開発、セールスマーケティング支援、コンサルティング、DX支援事業を行う。
アプリ開発やWeb制作プロジェクトでは、PMやPMO、コンサルタントとして、プロジェクトマネジメントやコンサルティング、COO代行業務などを担当し、クライアントの目標達成に向けて尽力している。
受託案件実績は200件以上。
システム受託系企業を中心に経営支援を行い、
月商200~500万円の達成をはじめ、初の融資調達、スタッフ採用、黒字決算、資金繰り改善、複数案件受注(ラボ開発・SES・受託・映像など)、営業の仕組み化・組織化など、具体的な成果を創出。
2022年より不動産賃貸業を開始。累計20棟の戸建てを取得し、自社で宅建業も展開。金融機関13行との取引実績を持ち、累計調達額は9,450万円に達する。
カスタマーサクセスの精神を大切にしながら、顧客のビジネス成長を支援。
所有資格
宅地建物取引士、日商簿記2級

目次

  1. はじめに

    • 経営者が意思決定の質を問われる理由

    • 本記事の目的と読者像

  2. 起業初期にありがちな意思決定の落とし穴

    • 1-1. 周囲の意見や常識に流される危うさ

    • 1-2. 利益よりも売上に目が行きがち

  3. 資金繰りと利益確保の基本構造

    • 2-1. 粗利の重要性

    • 2-2. キャッシュフロー管理の本質

  4. 組織づくりの第一歩

    • 3-1. 初期採用の落とし穴

    • 3-2. 経営者の役割の変化

  5. 成長フェーズで必要となる戦略的視点

    • 4-1. 「選択と集中」の意思決定

    • 4-2. 顧客基盤の拡大と深化

  6. 人材採用・育成の本質

    • 5-1. スキルよりも「価値観の一致」

    • 5-2. 育成は「経験のデザイン」

  7. 経営者のリーダーシップスタイル

    • 6-1. 変化を先取りする姿勢

    • 6-2. 社内外に示す一貫性

  8. まとめと今後の展望

    • 初期段階での重点事項

    • 成長段階での重点事項

  9. おわりに

    • 挑戦の連続としての経営

 

 

起業初期から持続的成長フェーズまでの実務的視点

1.はじめに

企業を率いる経営者にとって、
「意思決定の質」が事業の成否を分けることは疑いようのない事実です。

特に、起業初期から成長軌道に乗るまでの期間は
限られた資源をいかに活用し、いかに優先順位を定めるかが極めて重要となります。

本稿では、実際の経営現場で起こりやすい課題を整理しつつ
初期段階の落とし穴から成長フェーズにおける戦略的意思決定、
人材マネジメント、リーダーシップまでを包括的に解説します。

既に一定の事業基盤を築かれている経営者の方々にも、新たな示唆や検討材料となることを目指します。


2. 起業初期にありがちな意思決定の落とし穴

2-1. 周囲の意見や常識に流される危うさ

起業した直後の経営者は、不安定な状況の中で周囲からの助言や常識的な判断に頼りがちです。
しかし、必ずしもそれが正しいとは限りません。

たとえば
「まずはオフィスを構えなければならない」
「人材を早期に採用すべきだ」
といった声に押されて固定費を増やしてしまい、資金繰りを圧迫するケースは後を絶ちません。

経営者に必要なのは、周囲の声を鵜呑みにすることではなく
自社の事業モデルと収益構造を冷静に見極め、意思決定の基準を自ら持つことです。

2-2. 利益よりも売上に目が行きがち

起業初期にありがちなもう一つの落とし穴は、売上高を追い求めすぎることです。
確かに売上は企業の成長を測る一つの指標ですが、利益が伴わなければ意味がありません。

売上1,000万円を達成しても、利益率が低ければ手元に残る資金はごくわずかです。

経営初期にこそ、「売上=成果」という思い込みから脱却し
「利益を確保する仕組み」を先に設計する必要があります。


3. 資金繰りと利益確保の基本構造

3-1. 粗利の重要性

粗利は企業活動の生命線です。年間粗利が3,000万円を超えれば、経営の選択肢は大きく広がります。
逆に粗利が確保できない限り、いかなる戦略も実行に移すことは困難です。

粗利を安定的に積み上げるためには、単なる案件の数を追うのではなく
粗利率を高める仕組みをつくることが肝要です。

単価交渉や付加価値サービスの導入、自社独自の強みの磨き込みなど、
利益構造に直結する施策を優先的に検討すべきでしょう。

3-2. キャッシュフロー管理の本質

多くの経営者が誤解しやすいのは「利益が出ているのに資金繰りが苦しい」という現象です。
これは売掛金・買掛金のタイミングや、投資支出の偏りなど、キャッシュフローの設計に起因します。

キャッシュフロー計画を立てる際には
「最低でも半年先までの資金繰りをシミュレーションする」ことが欠かせません。
銀行や投資家との信頼関係を築くうえでも、予測可能性を持って説明できる力は大きな武器となります。


4. 組織づくりの第一歩

4-1. 初期採用の落とし穴

創業直後にありがちなのは「とりあえず人を増やせば回るだろう」という発想です。
しかし、明確な業務設計がない段階で採用を急ぐと
結果的にマネジメント負担が増大し、経営者自身が疲弊してしまいます。

採用を検討する際には、
①その人材でなければできない仕事か
②外注やシステム化で代替できないか
を必ず検証すべきです。

4-2. 経営者の役割の変化

起業初期の経営者は、プレイヤーとしての役割が大きいのが実態です。
しかし、組織が成長するにつれて、プレイヤーからマネジャー、
さらにはビジョンを示すリーダーへと役割をシフトしていく必要があります。

ここで躊躇し、いつまでも現場に深く入り込み続けると
経営者の時間が奪われ、企業の成長速度にブレーキがかかります。


5. 成長フェーズで必要となる戦略的視点

5-1. 「選択と集中」の意思決定

企業が一定の規模に到達すると、あらゆる機会が見えるようになります。
しかし、それら全てに手を広げることはできません。
ここで問われるのは「何をやらないか」を決める力です。

事業ポートフォリオを冷静に分析し、
限られたリソースを最もリターンが見込める領域に集中させることが、持続的成長の条件となります。

5-2. 顧客基盤の拡大と深化

成長フェーズにおいては、新規顧客の獲得だけでなく、既存顧客との関係深化が重要になります。
特にBtoB事業では、既存顧客からのリピートや紹介が売上の安定性を支える基盤となります。

LTV(顧客生涯価値)を最大化する施策を継続的に実行することで、企業の収益性は格段に向上します。


6. 人材採用・育成の本質

6-1. スキルよりも「価値観の一致」

採用時に重視すべきは、目先のスキル以上に「企業のビジョンや価値観に共感できるか」です。
短期的な成果を期待して高スキル人材を採用しても、
価値観が一致しなければ早期離職や組織内摩擦につながります。

6-2. 育成は「経験のデザイン」

人材育成においては、教育研修の有無以上に、日常業務を通じてどのような経験を積ませるかが重要です。成長機会を意図的にデザインし、挑戦と学びのサイクルを回す仕組みを持つ企業は、
人材が自然に成長していきます。


7. 経営者のリーダーシップスタイル

7-1. 変化を先取りする姿勢

VUCA時代と呼ばれる現代において、経営者に求められるのは「変化を恐れない意思決定」です。
環境の変化を後追いするのではなく、先手を打って行動する姿勢が企業の競争優位を築きます。

7-2. 社内外に示す一貫性

経営者の言葉や行動は、社員だけでなく顧客や取引先にも大きな影響を与えます。
一貫性を欠いた発言や姿勢は、組織の信頼を損なう要因となります。

リーダーは「ビジョンを語るだけでなく、日々の意思決定や行動でそのビジョンを体現する存在」
である必要があります。


8. まとめと今後の展望

経営者が直面する課題は、起業初期と成長フェーズで異なります。
しかし、共通して問われるのは「意思決定の質」と「経営者としての在り方」です。

  • 初期段階では、周囲の声に流されず、自社の利益構造を設計すること

  • 成長段階では、選択と集中、人材育成、リーダーシップの確立が求められること

これらを意識的に実行できるかどうかが、企業の持続的成長を左右します。

9.おわりに

経営は常に挑戦の連続です。
唯一の正解は存在せず、各企業の状況や経営者自身の価値観に応じて最適解を模索する必要があります。
本稿が、その過程において少しでも参考となれば幸いです。

株式会社Desafios

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